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: 太陽に関する謎

太陽の内部を音波で見る

柴橋 博資 1
高田 将郎 2

概要:

スイカを叩いてその音色を聞き分け、食べごろを調べる。これは音を使って、 スイカの内部を直接目で見ずに診断している訳である。これと同じ原理を使って、 太陽表面の振動を観測・解析して、太陽の内部を探る研究(「日震学」と呼ぶ)が 進んでいる。その結果、音波を使って太陽の内部を透視することが出来るようになった。 これまでの主な成果は、 などである。

こうして明らかになった太陽内部には、標準的な太陽モデルと比べて、対流層の直下 に、音速が速い層がある。この層で音速が速いのは、自転の様子の急激な変化に伴う、 攪拌のためではないかと、考えられた。今回、学会で発表する研究で、元素組成も、 対流層直下で、非一様になっていることが判り、攪拌が起きているらしいこと、が確認 された。

今回の研究発表だけでなく、新しい研究である「日震学」全般について紹介する。